「世の中のビジネスは男の下心で回っているよね。」と、彼女は言った。
「世の中のビジネスは男の下心で回っているよね。」と、彼女は言った。
新卒で入った体育会系のメディア会社を退職し、起業して20年が経つ彼女。
「新卒の若い子が、おじさんばかりの会社に営業に行ったら、男より受注が取れる。結果、月間MVPは男性より女性のほうが多くなるのよ。貴方だってかわいい女の子が営業に来たら、いい所を見せたいから無理のない範囲で発注するでしょう。」
残念ながら、僕は、否定できなかった。
「・・・・・・でもね。そうやって若さを武器に成績を上げてきた子は、20代後半~30代になると伸び悩んではじめて気がつくの。自分が若くて可愛いから成績が上がっていたことに。だって、その頃には新しく新卒が入ってきて、その子より成績を上げてMVPを取っているんだから。」
「・・・・・・だから、大切なのは。」
「可能な限り早く、自分が若くて可愛いから受注が取れているという事実に気づいて、若さを武器にできるうちに自分が若くなくなった時に備えて次の武器を創って、磨いておくこと。」
僕は、何も言えずに彼女をずっと見つめていた。
きっと僕は、ちょっと困った顔をしていたに違いない。
「今の話の『その子』って、私の事なんだけれどね。」
そういって、彼女は微笑った。
※このお話はフィクションです。
新卒で入った体育会系のメディア会社を退職し、起業して20年が経つ彼女。
「新卒の若い子が、おじさんばかりの会社に営業に行ったら、男より受注が取れる。結果、月間MVPは男性より女性のほうが多くなるのよ。貴方だってかわいい女の子が営業に来たら、いい所を見せたいから無理のない範囲で発注するでしょう。」
残念ながら、僕は、否定できなかった。
「・・・・・・でもね。そうやって若さを武器に成績を上げてきた子は、20代後半~30代になると伸び悩んではじめて気がつくの。自分が若くて可愛いから成績が上がっていたことに。だって、その頃には新しく新卒が入ってきて、その子より成績を上げてMVPを取っているんだから。」
「・・・・・・だから、大切なのは。」
「可能な限り早く、自分が若くて可愛いから受注が取れているという事実に気づいて、若さを武器にできるうちに自分が若くなくなった時に備えて次の武器を創って、磨いておくこと。」
僕は、何も言えずに彼女をずっと見つめていた。
きっと僕は、ちょっと困った顔をしていたに違いない。
「今の話の『その子』って、私の事なんだけれどね。」
そういって、彼女は微笑った。
※このお話はフィクションです。
